令和2年4月1日施行(但し保証意思宣明公正証書の作成は同年3月1日から)の改正民法(債権法)では、事業者向け融資の第三者個人保証については原則として保証契約に先立つ保証意思宣明公正証書の作成が必要になります(465条の6以下)。
日本公証人連合会のホームページには、保証意思宣明公正証書の作成手続の解説「保証意思宣明公正証書 公証人による保証意思確認手続きを新設」が掲載されています。
ここでは保証意思宣明書の書式(通常保証用・根保証用)も掲載されています。その中で「3 主債務者からの情報の提供について」として「主債務者は、根保証人となることを依頼するときに、その依頼をする相手方に、①主債務者の財産及び収支の状況、②本件の主債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況、③本件の主債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容に関する情報を提供しなければならないとされています。貴方は、主債務者から、このような情報の提供を受けたでしょうか。
下記(1)又は(2)のいずれかの□に✓をして下さい。提供を受けた情報の内容その他補足することがあれば右の欄に記載して下さい。
□(1) 情報の提供を受けた。
□(2) 情報の提供を受けていない。」とあるところは、改正法で新設された主たる債務者の契約締結時の情報提供義務(465条の10)との関係でも注目されます。この提供を受けた情報の内容が事実と異なっていた場合には保証契約を取り消しすることができる可能性がありますが、その判断資料となり、また債権者の認識・認識可能性を判断する資料ともなりうると考えられます。この保証意思宣明書が作成される保証意思宣明公正証書の記載に反映されるのか、またその後どのように取り扱われるのか(保存がなされるのか)など検討が必要なようにも思われます。