検察庁法は22条1項は検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官すると定めています。なお、一般の国家公務員については原則として60歳とされており(国家公務員法81条2項本文)、検察官の準司法機関としての地位と独立性などを考慮し、一般の公務員とはことなる特別の規定を定めています。なお検察庁法には定年規定についての例外規定は定められていません。
また検察官の俸給は検察官の俸給等に関する法律という特別の法律で定められています。検察官でなければ、検察官としての俸給を受け取ることは勿論できません。
63歳まで勤め上げた立派な検察官も63歳で退官となり、検察官ではなくなります。つまり「ただのおじさん」になります(公証人や弁護士になるなど法曹としてのリタイアメントライフがありますが)。しかし、元検察官であっても、資格のない「ただのおじさん」が検察官と称して、検察官としての俸給を受給すること、あるいは、国が資格のない「ただのおじさん」に検察官としての俸給を支給することは、背任的ですし、特別な利益供与となるようにも思われます。他の63歳で当然に定年退官を迎える検察官との間でも差別待遇となるのではないかと思います。