法務省法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会のHPに令和2年12月25日開催の民事訴訟法(IT化関係)部会第7回会議の議題・議事要旨・資料等が掲載されました。
第7回部会では
・和解に代わる決定
・オンライン申立てにおけるシステム障害等に関する規律
・濫用的な訴えの提起を防止するための方策
・利害関係のない第三者による訴訟記録のインターネット閲覧
が審議されています。
その上で
・「中間試案のたたき台」
についての審議が始まりました。
【資料】
部会資料11 特に検討すべき項目3(オンライン申立てにおけるシステム障害等に関する規律,濫用的な訴えの提起を防止するための方策,利害関係のない第三者による訴訟記録のインターネット閲覧)
http://www.moj.go.jp/content/001338337.pdf
部会資料12 中間試案のたたき台
http://www.moj.go.jp/content/001338408.pdf
参考資料10 「民事裁判IT化に関する世論調査」の概要
http://www.moj.go.jp/content/001338339.pdf
会議用資料 法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会委員等名簿
http://www.moj.go.jp/content/001338340.pdf
【コメント】
部会資料11では、特に検討すべき項目として「オンライン申立てにおけるシステム障害等に関する規律」「濫用的な訴えの提起を防止するための方策」「利害関係のない第三者による訴訟記録のインターネット閲覧」が検討されています。
「濫用的な訴えの提起を防止するための方策」に関しては,国民の裁判を受ける権利との兼ね合いで慎重に検討をする必要があります。「利害関係のない第三者による訴訟記録のインターネット閲覧」については,裁判の公開原則と,他方でプライバシー保護との兼ね合いで難しい問題です。広くWEB上で公開をするというのではなく,裁判所備え付けの機器によるアクセスに限定するなど慎重な対応が求められるようにも思われます。
その上で「中間試案のたたき台」が今般提示されました。今後,中間試案の取りまとめ後にパブリックコメントなどもなされるものと思われます。民事訴訟実務にとって重大な改正となりますので,多方面から多くの意見が寄せられること,それらの意見を踏まえた審議がなされることが求められます。