【改正民訴】電磁的訴訟記録の閲覧等(91条の2)

新民訴91条の2

(電磁的訴訟記録の閲覧等)

第91条の2

1.何人も、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的訴訟記録(訴訟記録中この法律その他の法令の規定により裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)に備えられたファイル(次項及び第三 項 、次条並びに第百九条の三第一項第二号を除き、以下単に「ファイル」という。)に記録された事項 (第百三十二条の七及び第百三十三条の二第五項において「ファイル記録事項」という。)に係る部分をいう。以下同じ。)の内容を最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。

2.当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、電磁的訴訟記録に記録されている事項について、最高裁判所規則で定めるところにより、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織 (裁判所の使用に係る電子計算機と手続の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法による複写を請求することができる。

3.当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、電磁的訴訟記 録に記録されている事項の全部若しくは一部を記載した書面であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該書面の内容が電磁的訴訟記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを交付し、又は当該事項の全部若しくは一 部を記 録した電磁的記録であって裁判所書記官が最高裁判所規則で定める方法により当該電磁的記録の内容が電磁的訴訟記録に記録されている事項と同一であることを証明したものを最高裁判所規則で定める電子情報処理組 織を使用してその者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記 録する方法その他の最高裁判所規則で定める方法により提供することを請求することができる。

4.前条第二項及び第五項の規定は、第一項及び第二項の規定による電磁的訴訟記録に係る閲覧及び複写の請求について準用する。

 

 

 

 

【コメント】

 要綱案の(注)には、 電磁的訴訟記録の閲覧等に関し、最高裁判所規則において、

⑴ 何人も、裁判所設置端末を用いた閲覧を請求することができ、

⑵ 当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所設置端末及び裁判所外端末を用いた閲覧等を請求することができ、⑶ 当事者は、 いつでも事件の係属中に裁判所外端末を用いた閲覧又は複写をすることができる

とい う内容の規律を設けるものとする、とあります。

 民事訴訟のIT化により、これまでよりも訴訟記録へのアクセスが便利となります。裁判の公開という観点からは望ましい面もある反面、プライバシーへの配慮やそれにより訴訟をためらうことが生じないように注意が必要です。

 

【中間試案】第12 訴訟記録の閲覧等 1 裁判所に設置された端末による訴訟記録の閲覧等 ⑴ 訴訟記録の閲覧 ⑵ 訴訟記録の複製等 ⑶ 裁判所に設置された端末による閲覧等をすることができない場合 2 裁判所外の端末による訴訟記録の閲覧及び複製 ⑴ 当事者による閲覧等 ⑵ 利害関係を疎明した第三者による閲覧等 ⑶ 利害関係のない第三者による閲覧 ⑷ 裁判所外の端末による閲覧等をすることができない場合 3 インターネットを用いてする訴訟記録の閲覧等の請求

【部会資料18】第2 訴訟記録の閲覧等 1 裁判所に設置された端末による訴訟記録の閲覧等 2 裁判所外の端末による訴訟記録の閲覧及び複製 3 インターネットを用いてする訴訟記録の閲覧等の請求

【部会資料23】第9 訴訟記録の閲覧等 1 訴訟記録の閲覧等  

【部会資料29】第11 訴訟記録の閲覧等 1 訴訟記録の閲覧等

【部会資料31】第11 訴訟記録の閲覧等 1 電磁的訴訟記録の閲覧等 

【部会資料32】第10 訴訟記録の閲覧等 1 電磁的訴訟記録の閲覧等  

【要綱案】第10 訴訟記録の閲覧等 1 電磁的訴訟記録の閲覧等