日弁連は2022年3月18日に「電子的支払手段等の規律の在り方に関する意見書」では,まず法定通貨の価値による償還を約さないステーブルコインについては,暗号資産交換業者では取り扱わないこととすべきとしています(意見の趣旨1(4))。
その上で,「デジ タルマネー類似型のステーブルコイン」及び「既存のデジタルマネー」を含む「電子的支払手段」について以下の意見を述べています。
まず「利用者保護上問題のある電子的支払手段を取り扱わない措置(意見の趣旨1 (1))(2)」として「利用者への確実な償還の確保」を求めています。「電子的支払手段」については,利用者が,法定通貨建ての価値の償還を確実に得られる必要があるとして,そのためには,基本的に,①利用者 がスマートフォンやパソコン上で仲介者が管理するアカウントに残高を取得 した段階で法的にも発行者に対する償還請求権を取得すること,②発行者の裏付資産又は制度的な裏付けにより利用者に確実に償還できること,③仲介者による利用者資産の流用等が確実に防止されることが必要であるとしています。また,「 海外発行の電子的支払手段」の仲介についても,前述のような仕組みと同水準の法的権利が確保されること必要であるが,さらに,利用者が海外の発行者に権利行使することは実際には容易でないことから,基本的に,国内に発行者の拠点が置かれ,国内において保全措置等がなされることを求める必要があるとしています。