・「原子力発電所の津波評価技術」としては 2002年版でも各海域の例示計算を付属編に掲載していたが、この結果に対して「土木学会がそれさえやっていれば問題ないとしているもの」との誤解が生じてしまった。例示計算はあくまでも「本編で示した枠組みの適用例」として示すものであり「考えられる最大クラス」を示すものでもない。改訂版ではこの点を踏まえ、誤解が生じないように留意していく。
本資料中の言葉(概略パラスタと詳細パラスタ)と一般的に使われている言葉は少し意味が異なっているため誤解が生じているように思う。本資料は、あるサイトに特化した評価というよりは、基礎的な検討として海域特性を把握するためのものである。
※筆者中
土木学会2002の附属編資料編の明治三陸の例はあくまで領域3の特性を把握するものである。あるサイトに特化した評価をする際には、そのサイトに焦点を絞ったきめ細やかな試算が求められる。JTT2-3にわずか5か所動かし、走向をわずか5度だけふった東電試算は土木学会2002が本来要求するサイトへの試算にはおよそ満たないものであったのではないか。それでも15.7mを試算し10メートル盤を超える津波は予見できていた。対策を行う際には、よりきめ細やかな試算を行うことが求められていたし、国が規制権限を行使していれば、保安院・JNES・地元自治体などの監視下でこれが行われていたはずである。