日本原子力技術協会は平成19年7月に「原子力施設における 台風等風水害対策の考え方について」を公表しています。
ここには
・A.気象データ、災害情報に関する最新知見の入手
近年、自然災害は大型化しており、設計当初の気象データの有効性が損なわれている可能 性があるため、最新のものを入手する。また、自治体や公共機関などがハザードマップなど 災害の影響を分析した情報を提供しているので、常に最新の知見を入手する。 更には、設計を超えるような風水害発生を想定する
・ⅰ.設計 最新の気象等の知見をもとに、設備の確認を行う。
a.最新の知見に基づく風水害が設備設計を超えないこと
b.風水害に対する設備の実力を把握すること
ⅱ.災害対応手順
a.(1)の知見に基づいた対応手順書類の見直し
b.災害をもたらすと予想される気象状況が発生した場合および上陸した際に、原子力災 害につながる芽を摘み取る活動が含まれること
c.風水害から原子力災害に至った場合、遅滞なく原子力事業者防災業務計画に移行し、 機能すること
ⅲ.想定を超える風水害への対応 設計を超えるような風水害発生を想定し、そのような場合においても要員が安全確保のた めの活動を効果的、効率的に行うための対策の検討をあらかじめ行う。
・(1) 設備の実力把握 a.最新の気象情報等の知見をもとに、設備が当初設計のままで対応可能かどうか確認を行う。 ¾ 最新の気象、海象データの収集、分析 ¾ 周辺災害情報の入手、分析(自治体等作成の各種ハザードマップ等(参考1参照)の 入手、分析) ¾ 最新の気象或いは周辺災害情報に照らした設計の健全性確認 b.設備の風水害に耐える実力・能力(どの大きさの風水害まで耐えうるのか)を把握する。 c.発電所構外の通信設備等インフラ施設や他社工場などの被害が発電所に及ぼす影響を考慮する
・堤防・防水扉の健全性
設備の健全性
排水設備の健全性
電気火災の可能性
ケーブル・配管ピットや暗渠水没
浮遊物による設備破損
・c.送電線や開閉所、変圧器の事故による外部電源喪失の可能性が比較的高いことから、非 常用ディーゼル発電機の健全性維持と燃料確保が重要となる。燃料については、あらか じめ必要量の見積もり、調達先確保等の検討を行っておく必要がある
・5-3.想定を超える風水害への対応
(1) 資源(使用可能資機材、人員)の特定
a.災害の種類、規模等に応じて、機能の健全性が維持できると想定される施設・機器を あらかじめ特定し、それをもとに安全を確保するための手順を検討しておくことが重要である。
b.原子力施設の内部及び外部の電源施設および通信設備が全て使用不可能となる場合な どの最悪のケースを想定し、ケーススタディーを行っておく
などの記載がある。
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