1号機のHPCIのバッテリーの使用可能性?

 東京電力福島第一原子力発電所第1保全部グループマネージャーの政府事故調における調書に以下の記述がある(9頁)。

 

 「12日1時48分に、1号機で起動していたICが停止し、■■部長からICを復旧する指示があり、交流電源でMO弁を開操作をする話をしていました。しかし、1号機は、原子炉建屋に入ることができず仮設ラインを設置することが難しい状態でした。

 そこで、私ども電気機器グループの作業としては、P/C1C、1DからMCに既設ラインを使って電源を送るしかありませんでした。

 IC以外の注水方法である1号機のHPCIについては、バッテリー駆動であるためか、その他の理由からか、復旧の指示は特にありませんでした。

 しかし、HPCIのバッテリーはタービン建屋地下1階の個室に設置され、パトロール時に直接確認していませんが、接続端子が上部についているので、使用可能であると思っていました。

 バッテリーで弁を中央操作室で開操作して、蒸気が発生することでHPCI起動させることができます。

 1号機でHPCI復旧の指示がない理由は、バッテリーがないと起動しないため、充電できないバッテリーには期待しなかった可能性があります。」