3.11津波も南東からの流入の影響が大きい

福島第一原子力発電所 遡上した津波の水位及び流況の時間変化         48分20秒より10秒ずつ

 福島第一原子力発電所 遡上した津波の水位及び流況の時間変化をみると,3.11津波においても南東側からの流入の影響が大きいことがわかる。4号機から3号機などの建屋西側にも回り込み,共用プール建屋を浸水させたのは南東側から流入した津波のように見える。また,4メートル盤にも南東側より流入し,その津波と東側からの津波が合流して東側からの遡上の要因となったようにも見える。なお,1号機北側からの流入も見受けられる。

 いわゆる「南東側のみ防潮堤」だけでも存した場合に,3.11津波の浸水の機序は異なり,各号機の各電気設備に与えた影響や事故の発生機序に与えた影響は異なった蓋然性が高い。