東電社報158号(昭和39年8月)に、東電が昭和39年7月16日に行われた非常災害対策演習の報告が掲載されている。
本店では高汐による浸水に備えた「防汐壁の取付け訓練」が行われている。
AP5mまでの高汐による本館建物内への浸水を防ぐことにより、地下室の電源を確保し9階の中央給電指令所の給電業務に支障を及ぼさないようにするために、出入口にステンレス製の組立て壁を取り付けるようにしたとある。
千葉火力では、さのう60袋により10数分後には発電所本館大物搬入口に防潮堤ができあがったとある。
福島第一原子力発電所においても、大津波警報発令時に敷地高を超える津波の可能性に備えて、大物搬入口の防護扉を閉める、防潮壁を設置する、土嚢を積むなどの対策が防災計画に取り入れられて然るべきであった。巨大防潮堤よりも前にできることはあった。